「Unityを使ってPC版はもちろんAndroidやiOS版も作って公開したい!」と考えている方は自分も含めて多いのではないでしょうか?
そんな方々の心に響きそうなタイトルの本が発売されていたので先日購入してみました。
全体的に見て感じるのは「Unityは触ったことがなくあまり知らない」「Androidアプリ開発もiOSアプリ開発も環境すら整えていない」という2つの大きなカテゴリに属する方にはまさにバイブルと思うほどに丁寧に環境作りから開発者登録、アプリの公開までが描かれています。
この本は目次や索引を除くと約400ページになりますが・・・
・Unityの紹介              約90ページ
・iOSの開発者登録から環境作り      約30ページ
・iOSアプリ公開             約35ページ
・AndroidのJDK導入からアプリ公開まで  約50ページ
本の半分近くは上記のイントロダクション的な内容ですので、ここをどう評価するかは読んだ方の経験や知識量で大きく異なります。ただしネットでも公開されている内容も多いので、そのあたりで水増しと感じる人は多いかもしれません。
さてこの本で取り扱うUnityを用いて制作するゲームは2つです。
1つ目は「Maze」という迷路ゲーム。
簡単に言うと主人公はボールで壁や炎を通り抜けてゴールを目指す内容。

2つ目は「JumpMan」というアクションゲーム。
簡単に言うと初期のスーパーマリオブラザーズを3Dにした感じの内容です。(ずいぶんシンプルですが)

気持ちとしてはもう少し設定やコントロールがあってもいいかなと思う点も多いのですが、今まで購入したり読んできたUnity本の中では操作の仕方や箇所を図できっちり示してあるおかげで一番「スムーズに進められる!」と感じることが自分はできました。こういう感覚は初心者にとって非常にありがたいものです。そういう意味ではこれくらい題材のゲームはシンプルなものがいいのでしょう。
それゆえにそのまま作らされている感覚に陥り、「全く自分の身にならない!」と思う人も出てくるかもしれません。この本は「簡単でもいいから、環境を作ってアプリを作ってみて公開してみよう。」という趣旨なので、そう感じる方には合っていないタイプの本です。
Android、iOS、Unityで全くの初心者の方が少ない投資でとりあえず動くゲームを作ってみたいという欲求を満たせる点においては価値が高いです。タイトル通り入門本としての1冊目としての役割は十分に果たしていると思います。
【今回の評価】
 丁寧さ    ★★★★☆
 面白さ    ★★★☆
 わかりやすさ ★★★★★
 発展性    ★★★☆
 情報量    ★★★(初心者の方は+★☆)
総合評価 ★★★★
※なお本のソースコード中でおかしいところを発見しました。入門者用の本という性質上ソースコードに間違いがあるのは非常に残念なところです。
ネットで正誤表を探してみましたが、見つからないのでここで指摘しておきます。間違いではなくとも紛らわしい点についても書いておきます。
初版 P.140
 1つ目のゲーム「Maze」:「Goal.js」上のコード
  34行目「衝突したオブジェクトのタグが〜」
  var pOS X → var posX
  42行目「炎を配置する〜」
  pOS X → posX
初版 P.197
 2つ目のゲーム「JumpMan」:UpDownMove.js
  最後の項目
   var offs = 〜
  一応説明にはあるが、この書き方は誤解を招きやすい。
  
  


 
 
 
 
 
 
       
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
        
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